自由気ままな私の広告論

大手広告会社でプランナーやディレクター、WEBマーケを担当。自由を求めて今年独立したアラフォーなメンズがつらつら書いてます

広告に恋して

私はこれまで色んな広告に携わってきましたが、キャリアの一番最初は某R社の求人広告のセールスでした。その時若干20歳。同僚には私よりも社会人経験が豊富な先輩方や、将来を約束された有名大学出の新卒者達と、名前に違わぬ人材が揃っていました。


一方で私には特に誇れるものはなく…。強いていえば20歳までに経験した職歴が豊富という事だけ。

レジの店員や飲食店での調理にホール、夜の店でのボーイ、塗装業、パン屋でパンをこねこね…。と、10代から親元を離れて生活していたので生活費を稼ぐためにできる事は何でもやってたし、今考えるとバイタイリティに溢れた若者ですね笑


そんな私がなぜ広告業界を志望したかというと、まずはスーツへの憧れ!やっぱりスーツをビシッと決めて颯爽と街中を歩くサラリーマン達を見るとザ大人を感じたんですよね。特に学歴もない私ですが、スーツを着て働く大人=エリートだと考えてました。


中学生あたりから洋服と洋楽にのめり込んでいて、洋服だとPPFMやらシマロンやらBEAMSが好きでお年玉や小遣いをためては東京へ服を買いに行ってましたねー。※初竹下通りで偽ブランドTシャツを外人から買ったのはよき思い出…

洋楽はMR.BIGやブライアンアダムス、スウィングアウトシスターズ、ボンジョビをローテで聴いてたんですけど特に好きだったのはジャミロクワイ(ジェイケイの信者でした)。ジャミロだけは今でも作業中に聴いてるなー。

日清カップヌードルのCMといえば皆さんも馴染みかあるかもしれません。

youtu.be

※ちなみにこの「Virtual Insanity」はその年のMTV Video Music Awardsで4部門に輝いた超有名なMVです。

 

まだ当時は明確になりたいものがあった訳ではないというか、なんとなくクリエイティブなものに感化されやすい人間だったんだなと思います。


そんな私にようやく明確な目標を与えてくれたのが一つのドラマです。


恋のチカラ

堤真一さん演じるクリエイターの葛藤や生き方が感情豊かに表れさながら組織からの孤立、事業の成功というサクセスストーリーあり、深津絵里さんとの職場内での恋愛描写ありと、今見てもこんなシチュエーションの主人公になりてぇ〜と心から思わせられる作品です。

ja.wikipedia.org


私はこのドラマでクリエイティブデザイナーという仕事を初めて知り、広告の業界に興味を持ちました。大人=スーツという単純な憧れではなく、スーツを着て広告に携わる仕事がやってみたいと思ってからもうすぐ四半世紀ですかね。


求人広告から始まり、地域情報誌、会社パンフレットやポスター、WEBサイトと様々な広告に携わってきましたけどやっぱりいつも思うのは広告ってメッセージであり、表現であるという事なんですよね。


私はなぜ洋服が好きだったのか?自分を表現したいけど上手く言葉にできない、だから洋服を通して自分という人間を発信したい、理解してほしい。私はこんな人間です!をアピールできる。


なぜ洋楽が好きだったのか?邦楽と違って歌詞の意味もわからないし、言葉の意味すらもわからない。だからこそ単純な音楽として聴けた事。言葉がわかる、既に意味を持つ事に自分を形容されたくなかったんでしょうね。


クライアントとの打ち合わせでもよくこんな話をします。

・この広告を見たユーザーにどんな感情を与えたいですか?

・その感情から得られるポジティブな事象を可能な限り考えてみましょう。

・その事象は貴社にとって幸せですか?


広告に正解も間違いもないんですけど、感情に訴えかける事ができるというのは紛れもなく事実だと信じています。感情に訴えかけるためにデザインという表現したり、発信というコミュニケーションで常に新鮮さを保つ事もできる。だから広告は面白いですよね。


固定概念や枠に囚われない、答えもなければ正解も間違いもない。広告は自由そのものだなと。だから難しいですけど、自分が携わった広告で多くの人が何かしらのアクションを起こしてくれるきっかけになるというのはすごい事だなとつくづく思います。


今でも変わらず広告の世界で仕事をさせて頂いて、今年は独立もした。憧れの貫井功太郎(堤真一の役名)みたいにデザイナーではないけれど、広告のディレクションやプロモーションを考えるクリエイターとして、自由な表現で世の中に発信ができる。まだまだ発信が足りてないなと思いますし、やりたい企画もたくさんあります。


アクセル全開でこれからもやっていかねば!と考え、自分がなぜ広告の仕事をしているのか?広告の何が好きなのかを再認識すべく長々と自分語りをしてしまいました。(すみません)ご拝読ありがとうございました。

【石田三成】から学ぶコンテンツづくりとは?

私は地方でプロモーションを中心に、
マーケティングブランディングのお手伝いをさせて頂いています。

その中でも集客を目的にした「コンテンツ」を企画してほしいと相談を受ける事が多く、オンラインオフライン問わず集客施策を考えてきました。
元々情報誌の営業をやっていたため、企画を出すという作業には慣れていたのですが、集客から成約に結び付けるための導線設計、いわゆる「コンテンツマーケティング」の提案が主な仕事となります。

簡単にご説明すると、コンテンツを発信する事によって潜在的な顧客を集客。集客した顧客を育成して自社のリード顧客へしていく手法です。

satori.marketing

割と昔からある手法なのですが、WEBやSNSが盛んになった事で拡散性が増し、コンテンツの「質」と「有益性」がよりも求められていますね。私の方でもいくつか作ってきたコンテンツがありますが、今回はうまくいった例を簡単にご紹介させて頂きます。
※うまくいかなかった例もどこかで紹介したいと思います。

商工会とコラボしたの地域支援ネットワーク制作
神奈川県西部にある街で商店街を盛り上げてほしいと相談を受け、
商店街限定のフリーペーパーを発行すると共に、地域内に存在している過疎地域(住民減少区域)で毎週末キッチンカー、フリマを開催する事で人流を作り、商店街で事業を行っている店舗の売り上げ確保、地域内の買い物弱者が気軽に買い物できる環境を作りました。

ハウスメーカー工務店への集客支援
ハウスメーカー工務店は一人のお客様と接点を持つために、だいたい¥30,000~¥70,000のコスト(集客単価)が発生しています。この集客単価を下げるために何かできないかと相談を受け、ファミリー層をターゲットにしたイベントコンテンツを作成しました。コンテンツの内容や考え方はまた改めて紹介をさせて頂きますが、現在でもこのコンテンツは県内各所で行っており、この3年間で延べ1,000組を超える来場に成功しています。

ペットコンテンツ制作
愛犬と暮らせる賃貸物件・新築住宅を発信していきたいと相談を受け、愛犬家とのエンゲージメントを高めるための冊子・WEBメディアを作成。オフラインではイベントを開催し、ユーザーの満足度を高めると共に、企業がユーザーと直接触れ合える機会を提案させて頂きました。愛犬に注力しているという、自社認知〜体験〜ファン化のスキームを実施する事によって地域における愛犬と暮らせる物件管理数・成約率を大きく伸ばす事に成功しました。

成功した事例なので見た目は非常にいいですね(笑)
こうした仕事は一見目立ちますし、限られた人間しかできないと思われがちなのですが、私はそんな事ないと考えています。「やろうとするか、やろうとしないか」だけじゃないかなと思うんです。

その会社で働く人、地域で暮らす人それぞれが「この街もこんなことをやったらいいのに」とか、「こんな企画があったらな」と考えた事があるはずです。誰もが現状よりも良い未来を思い描いているのではないでしょうか。

「コンテンツ」を考えるってまずはそこからがスタートです。

私の好きな言葉で「大一大万大吉」といった言葉があります。
関ヶ原で有名な石田三成が残したと言われていますね。

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一人が万民のために、万民が一人のために尽くせば皆が幸福になるという意味だそうです。要は「誰かのために尽くす」という姿勢を持てるかどうかだと思うんです。

売れない営業マンも、うまくいかない地域活性も、進まない企業のブランディングも「誰かのために尽くす」といった考えが、どうすれば喜んでもらえるか、楽しんでもらえるかという発想に変わり、「こんな事やったら面白いんじゃないか」という企画が生まれます。そして、その企画を実現するためのプランを考えるのですが、「本当にこの企画で成果が出るのか」と疑問が出てきます。
この疑問を持つ事が非常に重要ですね。私も常に自問自答しています。

この疑問について深堀りをするのですが、一人ではないはずです。
同じ地域に暮らす住人同士で意見を出し合ったり、
会社の同僚と飲みながら語り合ったりしながら企画がどんどんブラッシュアップされていく事で「コンテンツ」になっていきます。
考えた人がすごいとか、偉いではなくて、
誰かが誰かのために考えた結果がそう呼ばれるんだろうなと思います。

例えば自分の売りたい商品の事ばかりを話す営業マン、地域の声を無視する地域活性。新しい自分の車を買う事ばかり考えている経営者。
マウントばかり取ろうとしたり、何でも批判的に考える事はマーケター思考の欠如とも似てますが、こういった思考はコンテンツを作る上で妨げになる事が多くいいものはできないように思います。

この街のために、この人のために、この企業のために。
誰もが誰かのために尽くす姿勢がより良いコンテンツを生む力になる。
私はそうであってほしいなと強く願っています。

デジタルもSNSも非常に発達した現代。
コンテンツやプロモーションはもう広告代理店の専売特許ではありません。
「皆で生み出した結果」です。
だからこそ我々プロは「誰かのために」といった姿勢を誰よりも強く持たなければ成果貢献はできないなと改めて感じます。
企業や地域のNO.2として支えられるよう今後も精進して参ります!!

 

まとめ

・コンテンツマーケティングは集客につながる

・コンテンツは今よりもいい未来をイメージすること

・誰もがクリエイターであり、プロデューサー!

プリキュアはペルソナのお手本!

三歳の娘はプリキュアにハマっている。

毎日のように録画で見ていて、寝起きと共にプリキュア観たいが始まり、寝る寸前まで見る事もある。

もう20年はシリーズ化されている作品だが、このプリキュアシリーズは子供がハマるとやばい。

アニメ本編で流れるCMはほぼ関連商品の宣伝。

買って買ってをリアルに1日30回位聞いてる。

プリキュアシリーズの怖いところはこの30分という短い時間の中での『刷り込み力』が半端ない。

アニメ本編に加え、CM全てでプリキュアを宣伝してくるのだから嫌でもどんな商品が売ってるのかがわかる位だ。

でも何よりも怖いのはこの30分で繰り返される子供とのコミュニケーションをプリキュア側が間違いなく想定しているという事。

プリキュアはただのアニメではなく、30分を通しての宣伝広告だと私は思っている。

その宣伝の中(アニメ本編)には悪と戦うプリキュアの勇姿や仲間との絆、ギャグ要素まで入ってくるんだから堪らない。

そこにきての関連商品のCM。おそらく毎週日曜の8時半から9時は女児の買ってコールが全国のお父さんお母さんを困らせているんだろう。

こうした全国の茶の間で繰り広げられる子供との攻防(子供の買って〜誕生日に考えとくまてがデフォ。

待てないという子供特有のダダこねのおかげで親の脳裏にはプリキュアと商品が刷り込まれる)までをプリキュア側は明確にイメージしているとしか思えない。

ペルソナ設計における戦略が見事すぎて毎週困ってます。なんだろう、プリキュアが出てきて買ってコールをやっつけてくれないかな…。

satori.marketing


まとめ

・ペルソナ設計は購入意欲の生まれる情景をより具体的にイメージすべき!!

・刷り込みは5W1Hを意識する

【初心者向け】マーケティングって何?

私は今、静岡県の東部地域でマーケティングの仕事をしています。3月に設立した会社なので、積極的に様々な経営者方とお会いしているのですが、名刺交換をする度にどんな事なのかを聞かれる事が多いです。

社名も独特なので興味を持って頂けるのはありがたいですが(笑)

簡単に言うと売上を作るための仕組み作りや、集客を増やすための戦略立案を経営者様意向に沿って、支援させて頂いているのですが、具体的にどんな仕事なの?と思われることがほとんどです。

冗談で「超広告代理店」とも言ってます。

広告やプロモーションに携わる業務なら何でもやるので!

例えば、売上が毎年下がっているから何とかしたいという相談を受けたとします。

広告を使って集客をする、新しい商品を作る、HPを見直す、キャンペーンを実施するなどの手法はたくさんありますよね。

「広告出しましょうよ!」「イベントやりましょうよ」といった手法の提案をするのは広告代理店だったり、デザインの制作会社だったりします。

もちろん私もこうしたアウトプットを最終的には出しますが、マーケティングは簡単に言うところの仕組み作りです。

売れるための仕組み、集客するための仕組みには必ず要因がありますが、逆に売れない、集客できない要因も当然ありますよね。

仕組みや手法を考える前にこのポジティブ・ネガティブ双方の要因を探る事がマーケティングの本質だと私は考えています。

売上を何とかしたいと相談を受けたのであれば、施策を実行する前に以下の順番で要因を探るための顧客理解から始めていきます。

❶自社のサービスや商品で売れているものといった強みの把握

❷自社のサービスや商品で売れていない、上手くいっていない弱みの把握

❸❶を更に伸ばすためにさせる可能性として考えられる事は何か?

❹自社の商品やサービスに悪影響を及ぼす可能性がある事は何か?

言い換えると、

❶自社のサービスや商品で売れているものといった強みの把握

→Strength(強み)

❷自社のサービスや商品で売れていない、上手くいっていない弱みの把握

→Weakness(弱み)

❸❶を更に伸ばすためにさせる可能性として考えられる事は何か?

→Opportunity(機会)

❹自社の商品やサービスに悪影響を及ぼす可能性がある事は何か?

→Threat(脅威)

となり、上記4つから分析する作業は「SWOT分析」と言われています。

多くの経営者様が常日頃から意識していることだと思いますが、私はこれらの項目を経営者様と一緒にシートに書き出すようにしています。しっかりと自身の言葉でアウトプットする事が大切ですよね。

とある飲食店さんの事例を挙げるとこんな感じです。

【Strength(強み)】

・店舗数と立地の良さ

・低価格

・キッズ&ファミリー人気

【Weakness(弱み)】

・利幅が少ない

・低品質なイメージ

・混雑している店内

【Opportunity(機会)】

・不況による低価格志向

・個食の一般化

・付加価値商品へのニーズ

【Threat(脅威)】

・競合店との競争激化

・コンビニのコーヒー強化

・食の安全性への疑念

この結果から、「低い価格へのニーズは続いており、それに対応する強みは十分。しかし、品質への信頼回復を軸とするブランドイメージの向上と競合店への対策を講じなければ、業績の回復は難しい状況にある」という仮説が出てきます。

この仮説から実際の戦略を作っていくのですが、私はこのSWOT分析から更に2つの視点で「クロスSWOT分析」をするようにしています。

一つ目はユーザー目線

実際にお客様から頂いている声や口コミ、SNSなどへの投稿もチェックし、経営者様が考えている内容と整合性が取れているかどうか。特に強みと弱みの部分ではユーザー目線はとても重要だと考えています。

二つ目は競合目線

私自身が顧客の競合であると想定し顧客が考える機会と脅威が、私自身にどのような影響を与えるのかという視点ですね。顧客が好機と捉える機会においては競合としてされたら嫌かどうか。マイナスと捉える脅威についてはこの内容で競合として顧客に勝てそうかどうか。

この2軸で、シートに書かれた内容について経営者様と議論を行い、売上が上がる要因、下がる要因について分析をしていきます。

よって、手法ありきで売上を考えるのではなく、現状に基づいて本当に必要な事は何なのかという「本質」が見えてきます。結果として広告やプロモーションではなく、販路や営業手法の見直しが一番の近道だったという事も多々あります。

本質をしっかりと整理・理解した上で商品やサービス、事業についてのアイデアが生まれてきます。アイデアの出し方についても色々なやり方があるのですが、それはまた別の記事で書きますね(長くなるので)

まとめ

マーケティングは売上の「本質」を見定める事

・顧客理解はSWOT分析で考える

SWOT分析を更に別軸で分析し精度を上げる

・「手法」ありきではなく「現状把握」が重要