私は今、静岡県の東部地域でマーケティングの仕事をしています。3月に設立した会社なので、積極的に様々な経営者方とお会いしているのですが、名刺交換をする度にどんな事なのかを聞かれる事が多いです。
社名も独特なので興味を持って頂けるのはありがたいですが(笑)
簡単に言うと売上を作るための仕組み作りや、集客を増やすための戦略立案を経営者様意向に沿って、支援させて頂いているのですが、具体的にどんな仕事なの?と思われることがほとんどです。
冗談で「超広告代理店」とも言ってます。
広告やプロモーションに携わる業務なら何でもやるので!
例えば、売上が毎年下がっているから何とかしたいという相談を受けたとします。
広告を使って集客をする、新しい商品を作る、HPを見直す、キャンペーンを実施するなどの手法はたくさんありますよね。
「広告出しましょうよ!」「イベントやりましょうよ」といった手法の提案をするのは広告代理店だったり、デザインの制作会社だったりします。
もちろん私もこうしたアウトプットを最終的には出しますが、マーケティングは簡単に言うところの仕組み作りです。
売れるための仕組み、集客するための仕組みには必ず要因がありますが、逆に売れない、集客できない要因も当然ありますよね。
仕組みや手法を考える前にこのポジティブ・ネガティブ双方の要因を探る事がマーケティングの本質だと私は考えています。
売上を何とかしたいと相談を受けたのであれば、施策を実行する前に以下の順番で要因を探るための顧客理解から始めていきます。
❶自社のサービスや商品で売れているものといった強みの把握
❷自社のサービスや商品で売れていない、上手くいっていない弱みの把握
❸❶を更に伸ばすためにさせる可能性として考えられる事は何か?
❹自社の商品やサービスに悪影響を及ぼす可能性がある事は何か?
言い換えると、
❶自社のサービスや商品で売れているものといった強みの把握
→Strength(強み)
❷自社のサービスや商品で売れていない、上手くいっていない弱みの把握
→Weakness(弱み)
❸❶を更に伸ばすためにさせる可能性として考えられる事は何か?
→Opportunity(機会)
❹自社の商品やサービスに悪影響を及ぼす可能性がある事は何か?
→Threat(脅威)
となり、上記4つから分析する作業は「SWOT分析」と言われています。
多くの経営者様が常日頃から意識していることだと思いますが、私はこれらの項目を経営者様と一緒にシートに書き出すようにしています。しっかりと自身の言葉でアウトプットする事が大切ですよね。
とある飲食店さんの事例を挙げるとこんな感じです。
【Strength(強み)】
・店舗数と立地の良さ
・低価格
・キッズ&ファミリー人気
【Weakness(弱み)】
・利幅が少ない
・低品質なイメージ
・混雑している店内
【Opportunity(機会)】
・不況による低価格志向
・個食の一般化
・付加価値商品へのニーズ
【Threat(脅威)】
・競合店との競争激化
・コンビニのコーヒー強化
・食の安全性への疑念
この結果から、「低い価格へのニーズは続いており、それに対応する強みは十分。しかし、品質への信頼回復を軸とするブランドイメージの向上と競合店への対策を講じなければ、業績の回復は難しい状況にある」という仮説が出てきます。
この仮説から実際の戦略を作っていくのですが、私はこのSWOT分析から更に2つの視点で「クロスSWOT分析」をするようにしています。
一つ目はユーザー目線
実際にお客様から頂いている声や口コミ、SNSなどへの投稿もチェックし、経営者様が考えている内容と整合性が取れているかどうか。特に強みと弱みの部分ではユーザー目線はとても重要だと考えています。
二つ目は競合目線
私自身が顧客の競合であると想定し顧客が考える機会と脅威が、私自身にどのような影響を与えるのかという視点ですね。顧客が好機と捉える機会においては競合としてされたら嫌かどうか。マイナスと捉える脅威についてはこの内容で競合として顧客に勝てそうかどうか。
この2軸で、シートに書かれた内容について経営者様と議論を行い、売上が上がる要因、下がる要因について分析をしていきます。
よって、手法ありきで売上を考えるのではなく、現状に基づいて本当に必要な事は何なのかという「本質」が見えてきます。結果として広告やプロモーションではなく、販路や営業手法の見直しが一番の近道だったという事も多々あります。
本質をしっかりと整理・理解した上で商品やサービス、事業についてのアイデアが生まれてきます。アイデアの出し方についても色々なやり方があるのですが、それはまた別の記事で書きますね(長くなるので)
まとめ
・マーケティングは売上の「本質」を見定める事
・顧客理解はSWOT分析で考える
・SWOT分析を更に別軸で分析し精度を上げる
・「手法」ありきではなく「現状把握」が重要